武田 砂鉄SATETSU TAKEDA
公式サイト: http://www.t-satetsu.com/
1982 年東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年秋よりフリーライターに。 著書に『紋切型社会』（朝日出版社、2015年、第25回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞）、『芸能人寛容論』（青弓社）、『コンプレックス文化論』（文藝春秋）、『日本の気配』などがある。〈プロフィール写真撮影：宇佐巴史〉もっと読む
武田 砂鉄の書評/解説/選評一覧
『海をあげる』(筑摩書房)
武田 砂鉄かすかな言葉に耳を傾け、抗う「聞く耳を持つものの前でしか言葉は紡がれない」とある。沖縄で未成年の少女たちの支援・調査に携わり、若年出産をし…
書評
『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』(フォレスト出版)武田 砂鉄裏切りと開き直りが人を切り捨てていく出版社勤務も含め、もう15年間ほど出版業界にいるが、この業界には、信じられないほど「口約束」が残っている…
書評
『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』(集英社)武田 砂鉄自らの虚像に囚われた登山家の危うい実像2018年、エベレストへの登頂を目指している最中に滑落死した登山家・栗城史多（くりき・のぶかず）。凍傷で…
書評
『イルカも泳ぐわい。』(筑摩書房)武田 砂鉄頭の中で巡る思いが自由に豊かに放たれる妄想という言葉、というか状態って、ここ最近、とっても安っぽくなったんじゃないかと思っている。頭の中で…
書評
『世界のひきこもり 地下茎コスモポリタニズムの出現』(寿郎社)武田 砂鉄閉じた空間で語られる開かれた言葉による連帯その当人を知らないのに、イメージだけが積み重なっていく状態って危うい。「ひきこもり」も、そのひと…
書評
『「線」の思考』(新潮社)武田 砂鉄乗って歩いて歴史を掘り起こすある地点と別の地点を結ぶ鉄道には、始まりの理由がある。その理由は、経年によって変化し、時に意味そのものが眠りこ…
書評
『世間とズレちゃうのはしょうがない』(PHP研究所)武田 砂鉄しんどいんだからズレちゃえばいいこの対談本がどういう本かといえば、世間とズレちゃうのはしょうがない、という本だ。そう、しょうがないのだ。し…
書評
『アンコンタクト 非接触の経済学』(小学館)武田 砂鉄不安が加速させる「便利な断絶」このコロナ禍で制限されたのが移動と接触だ。だが、その双方は、コロナ前から、様々な技術革新によって改められよう…
書評
『テレビリサーチャーという仕事』(青弓社)武田 砂鉄正確でネタになる情報を地道に探し揃えていくテレビ番組を制作する上で必要不可欠な仕事が、リサーチャー。クイズ番組、旅番組、情報番組……番組に見…
書評
『100日で崩壊する政権 コロナ禍日本、安倍政権の軌跡』(扶桑社)武田 砂鉄風刺の余地がないほどヒドくて滑稽だったこの国のメディアには、政治に対する風刺が足りない。権力を茶化すことが無駄にタブー視されている。安倍晋…
書評
『幻のアフリカ納豆を追え！―そして現れた〈サピエンス納豆〉―』(新潮社)武田 砂鉄追い求め、分け入り、辿(たど)り着いた壮大な仮説高野作品を読む行為は「巻き込まれる」なんて言葉が似合う。世界各地にある「未確認納豆」を探し求…
書評
『目の見えない私がヘレン・ケラーにつづる怒りと愛をこめた一方的な手紙』(フィルムアート社)武田 砂鉄模範を疑ってすくい出した想い模範との比較は、人間を苦しめる。模範がそびえ立てば、そうはなれない周辺に否定の言葉が向かう。ああいう風にできた…
書評
『ぼくは挑戦人』(ホーム社)武田 砂鉄世界中を旅する中で自分を見つけていく中学時代、外国籍の若い先生がいた。その存在に慣れていなかったヤンチャな中学生の群れは、時に「ガイジン！…
書評
『言語の起源 人類の最も偉大な発明』(白揚社)武田 砂鉄象徴や身ぶりと文法が相互作用南米のアマゾン川流域に住む少数民族・ピダハンと暮らしながら、その場に根付く特異な言語を探求した一冊『ピダハン …
書評
『くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話』(タバブックス)武田 砂鉄くそ笑える未来だって見えないわけじゃない世の中には、金の話ばっかりしている人がいて、そういう人はもれなく話がつまらないのだが、あっちはあっ…
書評
『ウジョとソナ 独立運動家夫婦の子育て日記』(里山社)武田 砂鉄命を守り、命をつなぐ 戦火の中の家族の営み歴史を作るのは国ではなく、人間の営みである。1938年から46年まで、大韓民国臨時政府の独立運動家とし…
書評
『あいまいな会話はなぜ成立するのか』(岩波書店)武田 砂鉄歩み寄り推論 「ほどほど」の妙リモートでの取材や対談収録が増えたが、慣れないし、慣れたくない。音声や映像が一秒ズレるだけで多くの情報が失わ…
書評
『アーティスティックスポーツ研究序説:フィギュアスケートを基軸とした創造と享受の文化論』(白水社)武田 砂鉄実践者が問う「表現＋運動」の価値あの町田樹による大著、という形容を本人は嫌うだろう。フィギュアスケートの競技者として、世界選手権大会準優勝…
書評
『【第163回 芥川賞受賞作】破局』(河出書房新社)武田 砂鉄自分をも突き放す虚無の奥には他人がよろしくない出来事を起こすと、あんなことをする人だとは思わなかったなどと言う人がいるが、他人がどんな人か…
書評
『ざらざらをさわる』(晶文社)武田 砂鉄すごくでこぼこではない、でもなめらかでもない本を通じて初めてその人を知る醍醐味のひとつに、「やった、信頼できる人に出会えた」という興奮があ…
書評
