
1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『小林秀雄、吉本隆明、福田恆存――日本人の「断絶」を乗り越える』(ビジネス社)橋爪 大三郎
文芸批評家はもう絶滅危惧種なのかもしれない。本書の読後感だ。小林秀雄、吉本隆明、福田恆存。俊英の批評家が全力を傾け、文学の批評を通じて日本…
書評 - 『持続不可能な財政 再建のための選択肢』(講談社)橋爪 大三郎
とってもまっとうな税金と国家財政の話。全国民の必読書である。二○二五年度予算の政府案は歳出約一一五兆円。対する税収等は約八六兆円。差額三○兆…
書評 - 『論理的思考とは何か』(岩波書店)橋爪 大三郎
目的で手法を変える、脱固定概念論理と論理的思考は別ものである。この発見から拡がる世界。前向きにモデルを構築していく。発端は著者のアメリカ留…
書評 - 『ルポ 超高級老人ホーム』(ダイヤモンド社)橋爪 大三郎
東京成城の高級老人ホームは入居一次金が最高四・七億円で、入居後も二人で毎月六○万円払うという。金融資産五億円以上の超富裕層は日本で九万世帯。…
書評 - 『THE UNIVERSE IN A BOX 箱の中の宇宙 あたらしい宇宙138億年の歴史』(ダイヤモンド社)橋爪 大三郎
著者は気鋭の宇宙論学者(コスモロジスト)。なぜ宇宙はこんなふうか、銀河はどうできたか、コンピュータでシミュレーションして研究。その楽屋裏に…
書評 - 『イスラエルとパレスチナ──ユダヤ教は植民地支配を拒絶する』(岩波書店)橋爪 大三郎
シオニズムとユダヤ教を区別するユダヤ教とシオニズムはまるで別もの。むしろ正反対だ。--この重大な前提から議論が始まる。イスラエル建国の裏側…
書評 - 『哲学の世界 時間・運命・人生のパラドクス』(講談社)橋爪 大三郎
≪一見妥当に思える推論≫で≪驚くべき結論を導く≫パラドクス。ギリシャの昔から哲学の常道だ。運動は可能なのか?/時間は流れているのか?/運命は決…
書評 - 『遠野物語』(KADOKAWA)橋爪 大三郎
柳田国男は岩手県遠野を旅し、多くの民話を蒐集した。それを明治四三(一九一○)年『遠野物語』として出版。柳田民俗学の幕開けだ。山里の人びとは、…
書評 - 『脱露 シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』(KADOKAWA)橋爪 大三郎
兵士だけではない、あまりの過酷厳寒のシベリアは冬、零下四○度が当たり前、六○度の場所もある。敗戦後、そんなシベリアに送られ、収容所(ラーゲリ…
書評 - 『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』(講談社)橋爪 大三郎
「編集工学」のパイオニア松岡正剛氏が日本文化に斬り込む。≪日本文化はハイコンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があ…
書評 - 『名文で学ぶ英語の読み方』(SBクリエイティブ)橋爪 大三郎
≪英語の意味を正しく理解する≫英文読解より、英文≪鑑賞≫のほうが大事。≪「上手いこと言うなあ」と、思わずニヤッと≫できたら、楽しくて身につく。と…
書評 - 『戦時から目覚めよ: 未来なき今、何をなすべきか』(NHK出版)橋爪 大三郎
リベラルなリアリズムの思想家の希求ジジェクは現代哲学を牽引する思想家。一九四九年生まれ、スロヴェニア出身で社会主義の暗部も熟知している。ポ…
書評 - 『非常識なやさしさをまとう―人とともにデザインし、障がいを超える―』(ライフサイエンス出版)橋爪 大三郎
≪お前は人一倍パワーがあり過ぎる。…人生で何を成し遂げたい≫。コーチングの授業でこう問われ雲が晴れた。≪傲慢で、…負けず嫌い≫な著者は、小中高で…
書評 - 『聖書の同盟 アメリカはなぜユダヤ国家を支援するのか』(河出書房新社)橋爪 大三郎
アメリカはなぜいつもイスラエルの肩を持つのか。「聖書同盟」のゆえだと著者は言う。ユダヤ国家へのキリスト教徒の片想いのことだ。アメリカのキリ…
書評 - 『頼山陽──詩魂と史眼』(岩波書店)橋爪 大三郎
生涯在野の儒学者、その姿を描きだす頼山陽『日本外史』は幕末維新のベストセラー。武家政権の興亡を儒学の観点で描く歴史書だ。格調高い漢文で、地…
書評 - 『決定版カフカ短編集』(新潮社)橋爪 大三郎
『決定版カフカ全集』全12巻から選りすぐった短編15作を集めた。最初は「判決」。一九一二年にひと晩で書いた第一作だ。次は「火夫」。未完に終わっ…
書評 - 『差別する宗教: インクルージョンの視座からの告発』(現代書館)橋爪 大三郎
インクルージョンは排除の反対。障害があっても誰でも仲間だ。著者はそれを実践。ホームレスら≪いと小さき者≫たちと生きた牧師だ。著者はキリスト教…
書評 - 『芥正彦責任編集 地下演劇 第7号: 希望の原理』(スローガン)橋爪 大三郎
『地下演劇』の刊行は50年ぶり。寺山修司氏が創刊し芥正彦氏がバトンタッチした後、6号で停まっていた。でもこの異形の装丁は何だ! 九二七頁で四五○…
書評 - 『現代コリア、乱気流下の変容: 2008-2023』(作品社)橋爪 大三郎
トルクノフらロシアの学者が、朝鮮半島の最新の情勢を展望した。南北の政権の内情を鋭く分析、ワシントン、北京、モスクワ…と複雑に絡み合う力学を解…
書評 - 『台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ』(PHP研究所)橋爪 大三郎
≪習近平は…こう警告した。「米国は…中国の平和的な統一を支持すべきだ」≫。二三年十一月の米中首脳会談でのこと。不意を突かれたアメリカ側は反応で…
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