1948年生まれ。社会学者。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。執筆活動を経て、1989年より東工大に勤務。現在、東京工業大学名誉教授。著書に『仏教の言説戦略』(勁草書房)、『世界がわかる宗教社会学入門』(ちくま文庫)、『はじめての構造主義』(講談社現代新書)、『社会の不思議』(朝日出版社)など多数。…もっと読む
- 『決定版カフカ短編集』(新潮社)橋爪 大三郎
『決定版カフカ全集』全12巻から選りすぐった短編15作を集めた。最初は「判決」。一九一二年にひと晩で書いた第一作だ。次は「火夫」。未完に終わっ…
書評 - 『差別する宗教: インクルージョンの視座からの告発』(現代書館)橋爪 大三郎
インクルージョンは排除の反対。障害があっても誰でも仲間だ。著者はそれを実践。ホームレスら≪いと小さき者≫たちと生きた牧師だ。著者はキリスト教…
書評 - 『芥正彦責任編集 地下演劇 第7号: 希望の原理』(スローガン)橋爪 大三郎
『地下演劇』の刊行は50年ぶり。寺山修司氏が創刊し芥正彦氏がバトンタッチした後、6号で停まっていた。でもこの異形の装丁は何だ! 九二七頁で四五○…
書評 - 『現代コリア、乱気流下の変容: 2008-2023』(作品社)橋爪 大三郎
トルクノフらロシアの学者が、朝鮮半島の最新の情勢を展望した。南北の政権の内情を鋭く分析、ワシントン、北京、モスクワ…と複雑に絡み合う力学を解…
書評 - 『台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ』(PHP研究所)橋爪 大三郎
≪習近平は…こう警告した。「米国は…中国の平和的な統一を支持すべきだ」≫。二三年十一月の米中首脳会談でのこと。不意を突かれたアメリカ側は反応で…
書評 - 『はじめての橋本治論』(河出書房新社)橋爪 大三郎
空前絶後のスケールがスケッチされた「橋本治愛」がどのページからも溢れている。批評だが批評を超えている。こんな本を書いてもらえば誰だって涙が…
書評 - 『往生要集入門 悲しき者の救い』(講談社)橋爪 大三郎
源信の『往生要集』は日本人の地獄と極楽のイメージを形づくった書物。それを、仏教学者の石田瑞麿氏が細かく丁寧に解説していく。仏教は因果応報だ…
書評 - 『神論: 現代一神教神学序説』(作品社)橋爪 大三郎
イスラム神学と現代文明ニヒリズム対比中田考氏は篤信のムスリムでイスラム研究者。そして本書は神学書。神学の本を書く日本人は貴重だ。神学は、神…
書評 - 『中国農村の現在-「14億分の10億」のリアル』(中央公論新社)橋爪 大三郎
上海や北京は中国のごく一部。人口の半数近くはいまも農村に住む。その見えにくい実態を描き出す。中国は≪国家新型城鎮化規劃≫を進め、都市化率を60…
書評 - 『大江健三郎論 怪物作家の「本当ノ事」』(光文社)橋爪 大三郎
著者は三島由紀夫の研究家。大江健三郎を避けてきた。最近読み始めその怪物性に驚く。≪本書で私が提示した大江像は、民主主義者、平和主義者として一…
書評 - 『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』(光文社)橋爪 大三郎
著者は九○年代のフリーター。体力気力を消耗し電気ガスもよく止められた。バイトをクビになるたび自分を責めた。でも≪「自殺するくらいならなんでも…
書評 - 『村上春樹研究: サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信)橋爪 大三郎
世界文学であり、日本文学であること野心的な書物だ。村上春樹がいかに世界文学なのかを描き切り、しかも日本文学だと位置づける。この離れ業を多彩…
書評 - 『街場の米中論』(東洋経済新報社)橋爪 大三郎
「思考の下部構造」の違い探る≪自由と平等は食い合わせが悪い≫。だからアメリカは、解決不能の葛藤を抱えて両者の間をふらふらする。この国の深層を…
書評 - 『日清・日露戦史の真実 ――『坂の上の雲』と日本人の歴史観』(筑摩書房)橋爪 大三郎
隠蔽と忖度、官僚の悪癖の原点公刊された『日清戦史』と別に未公開の『日清戦史決定草案』があった。その残巻が福島県立図書館に収蔵されていた。両…
書評 - 『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店)橋爪 大三郎
統一教会の危険を三○年前に警告した必読書の改訂新版。新しく書き下ろした序章はいう。海外(特に北朝鮮)への資金の流れに捜査が及ぼうとするのを「…
書評 - 『あっぱれから遖まで ある国字の盛衰』(幻冬舎)橋爪 大三郎
「あはれ」が「あっぱれ」になったのは本当か。テーマはこれだけだが、読めば痛快きわまる一冊だ。探索はまず音韻から。ハ行は昔pだったのが奈良時代…
書評 - 『核兵器について、本音で話そう』(新潮社)橋爪 大三郎
核を使うぞとロシアが脅す。北朝鮮はミサイル連射。大軍拡の中国は東アジアに敵なし。気づけば日本は核に対し脆弱だ。平和は守れるか。その危うさを…
書評 - 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』(晶文社)橋爪 大三郎
『撤退論』に寄稿しませんか。内田樹氏のひと声に15名の論客が馳せ参じた。さながらミニ梁山泊(りょうざんぱく)だ。撤退とは≪国力衰微の現実に適切…
書評 - 『日本商人の源流』(筑摩書房)橋爪 大三郎
日本人はどんなビジネスをしてきたのか。平安~戦国時代の商業の変遷を概観できる歴史学の良書だ。登場するのは、行商/旅商人/都市の座商人/海の…
書評 - 『教養としての神道: 生きのびる神々』(東洋経済新報社)橋爪 大三郎
本書はとてもバランスがよい。目配りも周到だ。神道をまず理解するのに、持って来いの一冊である。著者は宗教学の島薗進氏。国家神道の著書も多い。…
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