1927年3月東京に生まれる。東京大学経済学部卒。衆議院議長を務めた父・堤康次郎の秘書を経て、1954年西武百貨店入社。1963年、自ら設立した西友ストアー[現・西友]の社長に、1966年には西武百貨店の社長に就任。その後、クレディセゾン、良品計画、ファミリーマートなど多彩な企業群のセゾングループの代表となる。1991…もっと読む
- 『夜の人工の木』(青土社)辻井 喬
受賞作の中に、「言葉」という作品がある。これ以上/喋らんとこう/これ以上 話をするとダメ人間に/なってしまう/だまっていよう/だまっていよ…
書評 - 『鉄幹と晶子 詩の革命』(筑摩書房)辻井 喬
九〇年代に入って、明治以後のいろいろな分野での指導者・開拓者の伝記や、彼等をモデルにした小説が書かれ、芝居が上演されるようになった。それは…
解説 - 『黄色いリボン』(幻冬舎)辻井 喬
主人公風子はボストン大学で勉強している。街には湾岸戦争に出征したアメリカ軍将兵の無事を祈る黄色いリボンがここかしこに結びつけられ、揺れてい…
書評 - 『自らを欺かず―泡鳴と清子の愛』(筑摩書房)辻井 喬
ヨーロッパには伝統的に伝記という文学のジャンルがある。しかし我が国の近代には、調査報告としての〝伝記〟死者を悼むオマージュとしての〝伝記〟…
書評 - 『世界認識の臨界へ』(深夜叢書社)辻井 喬
臨界点とは、辞書によれば、物質に或るエネルギーや運動が持続的に加えられた場合、それが異質の状態、たとえば固体から液体へ、液体から気体へと変…
書評 - 『くっすん大黒』(文藝春秋)辻井 喬
一年ほど前に出た町田康の小説『くっすん大黒』を読んだ(ALLREVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1998年)。題名がピンと来なかったし知らない作家な…
書評 - 『身がわり―母・有吉佐和子との日日』(新潮社)辻井 喬
肉親のことを書くのは難しい。それは世間が見ている肉親と自分が見ている人との間に差異があるからである。親が有名であればあるほどこの乖離は大き…
書評 - 『土から生まれた―津軽の画家 常田健が遺したもの』(平凡社)辻井 喬
常田健は主に農民の生活と労働を描いた。青春の一時期を除いて青森に住み自分も農民として生きた。この無名であった画家の巡回展は五十五日間で一万…
書評 - 『茫々半世紀』(新潮社)辻井 喬
草野心平さんが「茫々半世紀」という自伝を書いた。「茫々」とは広大な光景であり、はてしない状態のことだ。茫という字は、もともと水が遠くへと続…
書評 - 『文芸誌譚―その「雑」なる風景1910‐1935年』(雄松堂出版)辻井 喬
文学は感じるものであって考えて分るものではないという主張がある。長い間、私はこの意見は文学についての素朴な感想ぐらいにしか考えていなかった…
書評 - 『わが小林一三―清く正しく美しく』(河出書房新社)辻井 喬
いわゆる阪急文化圏に生れた作者にとって、これはまさしく「わが小林一三」伝である。つとめて主観を押え、事実に則して記述した結果が、かえって阪…
書評 - 『武満徹 音・ことば・イメージ』(青土社)辻井 喬
この本の著者は少しも身構えず、気取らず、武満徹という稀有の才能を巡って観察されたことを平易に語る。そのなかから浮び上ってくるのは、この国の…
書評 - 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波書店)辻井 喬
自分は経営者に向いていないという考えはビジネスマンになってからも長い間僕を苦しめていた。ただ、小説家や詩人としてやっていく自信がないから、…
書評 - 『日本社会の歴史 上』(岩波書店)辻井 喬
網野善彦とゆっくり話したことはほとんどない。学者や文化人が多く集まる新聞社や出版関係の会などで挨拶をしたぐらいである。学生時代から顔見知り…
書評 - 『森が消えるとき』(徳間書店)辻井 喬
高田宏さんは『言葉の海へ』で大佛次郎賞、亀井勝一郎賞、『木に会う』で読売文学賞を受けたエッセイストである。その高田さんの『森が消えるとき』…
書評 - 『犬婿入り』(講談社)辻井 喬
いろいろな可能性を持って出発した新人作家が、どのようにして自らの才能を開花させてゆくか、現代には、そのような一人の作家の成長を見守る、ある…
書評 - 『少年たちの終わらない夜』(河出書房新社)辻井 喬
自由なのではない。制約がすべてなくなった社会のなかで若者達はどこに行ったらいいのか分からない。彼等は若さが持つ嗅覚で、おとな達の嘘を見抜い…
書評 - 『粟津則雄著作集〈第5巻〉文学論』(思潮社)辻井 喬
「文学論」としてまとめられた本巻の作品を、粟津則雄は屢々、自らの体験と重ね合わせて語っている。それは少年の頃、はじめてその作品に触れた時の…
解説 - 『音と文明―音の環境学ことはじめ ―』(岩波書店)辻井 喬
『音と文明』を読んで久し振りに「目から鱗が落ちる」という言葉を思い出した。著者は音の性質、音の環境について疎放としか言いようのない現代文明…
書評 - 『行動する作曲家たち―岩城宏之対談集』(新潮社)辻井 喬
対談は登場した人物の性格と思想によって作られる演劇的空間である。岩城宏之氏と十二人の音楽家の対談集『行動する作曲家たち』(新潮社刊)を読ん…
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