
フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。『職業別パリ風俗』で読売文学賞評論・伝記賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。膨大な古書コレクションを有…もっと読む
- 『論語』(光文社)鹿島 茂
素読を尽くし学び成した書大学のオリエンテーションではシラバスでつまらなそうだと感じた科目を取れと勧めていた。登録学生が少なければ教師を独占…
書評 - 『すぐ役に立つものは すぐ役に立たなくなる』(プレジデント社)鹿島 茂
×月×日パスカルは『パンセ』で「人間は、屋根葺き職人だろうとなんだろうと、生まれつき、あらゆる職業に向いている。向いていないのは部屋の中にじ…
書評 - 『父の四千冊 アイスランドのアーティストによる回想』(作品社)鹿島 茂
蔵書の始末×月×日日を追うごとに強迫観念となってくるのは、蔵書の始末である。図書館は引き取ってくれないし古本屋も買い渋ると予想されるからだ。…
書評 - 『近代出版研究 第4号』(皓星社)鹿島 茂
紀田順一郎と荒俣宏×月×日東京堂の新刊本コーナーは、その長方形のスペースをぐるりと一巡すると読むべき本、買うべき本がすぐに見つかるという、…
書評 - 『サティとドビュッシー: 先駆者はどちらか』(春秋社)鹿島 茂
サティとドビュッシー×月×日群馬県立館林美術館で行われた「鹿島茂コレクションフランスのモダングラフィック展」をキュレーションするに当たって、…
書評 - 『広告の昭和: テレビCMがやって来る!』(青土社)鹿島 茂
「溯りの思考」が発掘する動く広告の歴史文化史研究者に不可欠な資質は「溯(さかのぼ)りの思考」ではないか。どんなモノにも歴史があるから、外見…
書評 - 『立ち読みの歴史』(早川書房)鹿島 茂
雑誌屋の普及が広めた形態『調べる技術』でヒットを⾶ばした著者が図書館員時代に蓄積した知識をフル稼働させた意外に奥深い読書形態史。著者は、昭…
書評 - 『パリの最後の夜』(国書刊行会)鹿島 茂
20世紀初頭のパリ、夜の街描き出すシュルレアリストたちは詩を絶対視し、小説を断罪していたが、皮肉なことに彼らが書いた小説は「時代を映す鏡」に…
書評 - 『人間喜劇 十九世紀パリの観相術とカリカチュア』(ありな書房)鹿島 茂
ヴァルター・ベンヤミンの「パリ――十九世紀の首都」は翻訳でわずか二十ページあまりの小文にすぎないが、ここ十数年間に発表された近代都市論に与え…
書評 - 『アンパンマンと日本人』(新潮社)鹿島 茂
「究極の利他」を生んだ生涯たどるアンパンマンは幼児に人気がある。いや人気があるどころか、泣く子も黙るのがアンパンマンだ。「病院で大泣きして…
書評 - 『パリ十区サン=モール通り二〇九番地: ある集合住宅の自伝』(作品社)鹿島 茂
古い街区に残る記憶、アウシュビッツパリでは十九世紀半ばのセーヌ県知事オスマンによる大改造以後、建物はあまり変わっていない。ポーランド系ユダ…
書評 - 『世界目録をつくろうとした男――奇才ポール・オトレと情報化時代の誕生』(みすず書房)鹿島 茂
ネット時代を予知した第一次大戦前考えることの第一原則が「疑う」にあるとすれば、第二原則は「分ける」にあるとしたのはデカルトだが、十九世紀以…
書評 - 『ルーヴル美術館 ブランディングの百年』(講談社)鹿島 茂
ルーヴル美術館の展示法パリで感じるのはフランスは「文化は金になると気づいた最初の国」であるばかりか、「もっと金をかければもっと儲かる」とい…
書評 - 『サド侯爵の呪い 伝説の手稿『ソドムの百二十日』がたどった数奇な運命』(日経ナショナル ジオグラフィック)鹿島 茂
数奇に数奇重ね…ノンフィクションフランスではこれまでオートグラフ(自筆原稿、手紙)は書籍とは別のジャンルとして市場を形成してきた。奥行きが…
書評 - 『実存主義者のカフェにて――自由と存在とアプリコットカクテルを』(紀伊國屋書店)鹿島 茂
哲学者たちの生涯をたどり、哲学を抽出一九三二、三三年頃、モンパルナスのカフェ「ベック・ド・ガーズ」で二十代の男女三人がアプリコットカクテル…
書評 - 『科博と科学: 地球の宝を守る』(早川書房)鹿島 茂
五〇年近くコレクションしてきてわかったことがある。なんでこんなものまで集める必要があるのだろうと自分でも思ってしまうようなコレクションこそ…
書評 - 『芝居のある風景』(白水社)鹿島 茂
芸能都市・東京での青春回想記演劇・芸能評論の第一人者による回想的エッセイ集。直近に観た作品への言及を落語の落ちのように使い、そこから連想し…
書評 - 『隆明だもの』(晶文社)鹿島 茂
「対幻想」発生の現場は修羅場だった?吉本隆明の長女で漫画家のハルノ宵子が父と母と過ごした日々を回想したエッセイに妹の吉本ばななとの姉妹対談…
書評 - 『ルネ・ヴィヴィアン伝』(水声社)鹿島 茂
自由への格闘、豊穣な同性愛文化育む一九〇九年十一月十八日の朝、パリで三二歳のイギリス人女性ポーリーヌ・メアリ・ターンがひっそりと世を去った…
書評 - 『フランス文学万華鏡―ECRITS DIVERS』(白水社)鹿島 茂
昨年惜しまれつつ世を去った仏文学者の随想集。どれも珠玉の名文だが、なかでも「遠い国の叔父貴たち」という随想が感動的。そこではフランスの作家…
書評