1953年、中国上海生まれ。明治大学国際日本学部教授。上海の華東師範大学を卒業、同大学助手を経て、日本留学。東京大学大学院総合文化研究科比較文化博士課程修了。國學院大学助教授、明治大学法学部教授、ハーバード大学客員研究員などを経て現職。著書は『恋の中国文明史』(ちくま学芸文庫/第45回読売文学賞)、『…もっと読む
- 『つかふ: 使用論ノート』(小学館)張 競
感覚的な表象にひそむ可逆的な関係性「使う」という言葉は日常生活のなかでよく用いられ、ふだん誰もが何気なく口にしている。鷲田清一はこのたった…
書評 - 『ストックホルムの旭日-文明としてのオリンピックと明治日本』(中央公論新社)張 競
オリンピック初参加への道たどる近代オリンピックはフランスの教育者ピエール・ドゥ・クーベルタンの提唱により創設され、一八九六年、ギリシャのア…
書評 - 『ハロー、ユーラシア 21世紀「中華」圏の政治思想』(講談社)張 競
政治の風圧にさらされた思想の漂流米中の覇権争いが激しさを増すなか、帝国化する巨大国家にどのような政治思想が生まれたのか。香港や台湾では民族…
書評 - 『中国哲学史-諸子百家から朱子学、現代の新儒家まで』(中央公論新社)張 競
共振作用による思想体系の変遷中国において、物事の本質を究めようとする知的探究がどのような経過をたどって今日にいたったのか。そのことについて…
書評 - 『AIは短歌をどう詠むか』(講談社)張 競
人と人のつながりを生む意外AIによる短歌生成の試みは十五、六年前にさかのぼる。日本にとどまらず海外でも短歌生成の言語モデルが作られている。本…
書評 - 『世界はナラティブでできている: なぜ物語思考が重要なのか』(青土社)張 競
知性の根源は創造と発明VS人工知能世間の話題をさらい続けた生成AI(人工知能)の進化は止まらない。AIは人間の知恵を遥かに凌駕し、近い将来ほとん…
書評 - 『戦後日本の中国観-アジアと近代をめぐる葛藤』(中央公論新社)張 競
学問対象と研究者の緊張関係に着目近代日本の中国認識についてこれまでもさまざまなアプローチがあったが、本書は専門領域内の議論に焦点を絞り、研…
書評 - 『漫画家が見た 百年前の西洋 ――近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行』(筑摩書房)張 競
他者へのまなざし、映し出された自己西洋見聞録のたぐいは幕末にさかのぼるが、その多くは遊記や日記という様式で記されている。文化交渉史の資料と…
書評 - 『周作人自伝』(河出書房新社)張 競
目線の低さ孤独なつぶやき二十世紀は自伝の世紀と言われている。その説の当否はともかくとして百年前後のあいだに多く書かれたのは事実である。本書…
書評 - 『大人のための印象派講座』(新潮社)張 競
画家たちの生身の姿、その時代にも迫る日本では印象派の人気が高い。ところが、ごった返しの展示会場で絵を眺めても、解説書を読んでも、いま一つ腑…
書評 - 『隠し女小春』(文藝春秋)張 競
幻想性と小説の内的合理性の融合大手出版社の校閲部に勤務している矢野聡(あきら)は中年にさしかかっているが、まだ、身を固めようとは思っていな…
書評 - 『文学部という冒険 文脈の自由を求めて』(NTT出版)張 競
「文脈の自由」に潜む大きな可能性文学部不要論が話題になったのは確かに六、七年前のことであった。だが、いまや現場の関係者たちはむしろ現実を冷…
書評 - 『温泉旅行の近現代』(吉川弘文館)張 競
大衆娯楽として文化的起源探る海外ではいまや温泉が日本文化の顔になりつつある。これまで温泉町の歴史については多くの資料があるが、現在のような…
書評 - 『「未熟さ」の系譜』(新潮社)張 競
日本における大衆音楽の盛衰を読み解く日本には少年少女のタレントが多く、十代のアイドル・グループは高い人気を誇っている。それに対し、アメリカ…
書評 - 『「ピアノを弾く少女」の誕生: ジェンダーと近代日本の音楽文化史』(青土社)張 競
習い事上位に入る楽器の文化的謎解きピアノといえば、女の子の習い事を連想する人は少なくないであろう。これはあながち根拠のない先入観ではない。…
書評 - 『日本語の発音はどう変わってきたか-「てふてふ」から「ちょうちょう」へ、音声史の旅』(中央公論新社)張 競
音声を書きとどめる努力の足跡古代日本は書写記号が模索されている最中に、漢字に出会った。万葉仮名は革命的な大発明だが、この創意に富んだ考案に…
書評 - 『移民船から世界をみる: 航路体験をめぐる日本近代史』(法政大学出版局)張 競
移住者の心伝える、南米への航海日記移民といえば、外国人労働者の受け入れを連想するかもしれないが、日本もかつて国策として海外移民を奨励し一九…
書評 - 『台湾文学というポリフォニー 往還する日台の想像力』(岩波書店)張 競
想像の他者像のさすらいを追って台湾文学論を思わせる書名だが、内容に即していえば、台湾をめぐる文学表象の批評である。台湾の日本語文学といえば…
書評 - 『読み書きの日本史』(岩波書店)張 競
専門的知見で寺子屋の実像に迫る江戸時代は世界一の識字率を誇り、寺子屋が読み書きの普及に大きな役割を果たした。この俗説は語られて久しいが、真…
書評 - 『仲人の近代 見合い結婚の歴史社会学』(青弓社)張 競
帰属先の変化に伴う誕生と消滅結婚式から仲人が姿を消して久しい。いまや仲人という言葉を知らない若者も少なくない。仲人という制度の盛衰は近代史…
書評