
1958(昭和33)年、北海道生れ。フリーライター。法政大学文学部哲学科卒業。西武百貨店系洋書店勤務の後、『宝島』『別冊宝島』の編集に携わる。1993(平成5)年頃よりライター業に専念。「哲学からアダルトビデオまで」を標榜し、コラム、書評、インタビューなど幅広い分野で活躍中。著書に『そうだ、京都に住もう。』『…もっと読む
- 『漫画 サピエンス全史 文明の正体編』(河出書房新社)永江 朗
イスラエルの歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』は全世界で2100万部も売れているそうだ。柴田裕之訳の日本版(河出書房新社)も1…
書評 - 『老けない美容、老ける美容』(講談社)永江 朗
「(わたしは)何歳だと思う?」という質問ほど答えるのが難しいものはない。こう問う人は、自分は実年齢より若く見えるはずだという自信を持ってい…
書評 - 『冬に子供が生まれる』(小学館)永江 朗
記憶さえ不安になるほどの謎油断のならない小説。読んでも読んでも、なかなか全貌が見えてこない。まるで霧につつまれた山を登っていて、自分の位置…
書評 - 『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』(ダイヤモンド社)永江 朗
人にものを教えられるのが大嫌い。旅先で道を尋ねるのもいや、家電量販店でパソコンの使い方を訊(き)くのもいや。教えを請うのは何かに負けたよう…
書評 - 『語れ、内なる沖縄よ――わたしと家族の来た道』(みすず書房)永江 朗
1981年にシカゴで生まれた著者の自伝。母は沖縄の嘉手納に生まれ育ち、ベトナム帰還兵の父と結婚してアメリカに渡った。母は何年暮らしてもアメリカ…
書評 - 『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』(小学館)永江 朗
妻の母(94歳)が救急搬送された。病院に向かう特急電車の中で開いたのは、佐藤愛子のエッセイ集『九十八歳。戦いやまず日は暮れず』(小学館・1320…
書評 - 『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(早川書房)永江 朗
「白熱教室」の政治哲学者サンデル先生が、能力主義をぶったたく! マイケル・サンデル『実力も運のうち』(鬼澤忍訳・早川書房・2420円)はそういう…
書評 - 『身の維新』(亜紀書房)永江 朗
医師たちの幕末維新を描いたノンフィクション。明治維新によって漢方から西洋医学(蘭方)へと一夜にして替わった、というような単純なものではない…
書評 - 『芦別 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史』(寿郎社)永江 朗
原生林に囲まれた農業と林業の村に炭鉱ができる。たくさんの人が移り住み、マチは栄える。だがそれは束の間。石炭の時代が終わり、炭鉱は閉山。人び…
書評 - 『DJヒロヒト』(新潮社)永江 朗
帯の裏表紙側にたくさんの人名が並んでいる。井上毅、井上靖、大岡昇平、小笠原長生、小田実、折口信夫……まだまだ続く。これらの人々が書いたことや…
書評 - 『路上の陽光』(書肆侃侃房)永江 朗
現代チベット文学の短篇集。収録された8篇の作品の多様性に驚く。表題作はチベットいちばんの都会、ラサを舞台にした若い男女の話。橋の上にたむろし…
書評 - 『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス)永江 朗
翻訳家による現代韓国文学ガイド、というような軽い気持ちで開いた。だが読み始めて思わず座り直し、背筋を伸ばして読んだ。日本でもベストセラーに…
書評 - 『パンクの系譜学』(書肆侃侃房)永江 朗
自己肯定へ…周縁から本質を見つめる不平不満はできるだけ言わないほうがいいとされる。怒るのもよくない。文句を言うな、我慢しろ、世の中のルール…
書評 - 『ハーレム・シャッフル』(早川書房)永江 朗
『地下鉄道』が話題になった著者。2016年発表の同作では、南部から北部へ逃れる黒人奴隷を描いたが、本作の舞台は1960年前後のニューヨーク市ハーレ…
書評 - 『ダダ・カンスケという詩人がいた: 評伝陀田勘助』(共和国)永江 朗
彼が生きた時代をたどる旅へひとりの人生を細かく追うことによって、その人が生きた時代を追体験できる。本書を読んでぼくは1920年代の日本に放り込…
書評 - 『親衛隊士の日』(河出書房新社)永江 朗
現実と重なるディストピア小説ロシアがウクライナに侵攻を開始したとき、ロシアの現代作家ソローキンは即座にエッセイを発表した。「プーチン 過去…
書評 - 『デジカメだからできるビジネス写真入門』(岩波書店)永江 朗
デジカメでプロ並みに撮るライターである私の生活は、パソコンによってすっかり変わった。取材の下調べも原稿執筆も、もはやパソコンなしでは成り立…
書評 - 『くそじじいとくそばばあの日本史』(ポプラ社)永江 朗
また間違えて買ってしまった。『くそじじいとくそばばあのための日本史』だと早とちり。これはオレのために書かれた本だと思った。ところがよく見る…
書評 - 『黄金虫変奏曲』(みすず書房)永江 朗
暗号解読とバッハの曲、絡み合う二つの物語上下2段組で851ページの長編小説。重いので電車のつり革につかまって読むのには向かない。電子書籍版もま…
書評 - 『ブルーノの問題』(書肆侃侃房)永江 朗
戦時下の人々描く八つの短編スピルバーグ監督の映画「ターミナル」(2004年)は、空港から出られない男を描いたコメディだった。飛行機に乗っている…
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