1936年東京生まれ。科学史家、科学哲学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。上智大学、東京大学先端科学技術研究センター、国際基督教大学、東京理科大学大学院、東洋英和女学院大学学長などを経て、豊田工業大学次世代文明研究センター長。著書に『科学者とは何か』『文明のなかの科学』『あらためて教養とは…もっと読む
- 『博学者 知の巨人たちの歴史』(左右社)村上 陽一郎
「博識」恐るべき膨大な名前の連なりこの大著の原題はPolymathという。「多・複」などの意味を持つ<poly>に<math>が重合して出来た語。<math>…
書評 - 『オリヴァー・サックス 最後のインタヴューと対話』(株式会社一灯舎)村上 陽一郎
限りないエムパシーがつむぐものオリヴァー・サックスと言えば、アメリカで一時代を画した脳神経内科の医師であり、かつベストセラー文筆家であった…
書評 - 『情報哲学入門』(講談社)村上 陽一郎
人間と社会の未来構想に切り込む「入門」というので気軽に読み始めたのですが、なかなか手強い相手でありました。理由の一つは、著者のキャリアもあ…
書評 - 『おろそかにされた死因究明 検証:特養ホーム「あずみの里」業務上過失致死事件』(同時代社)村上 陽一郎
介護現場で何が 先入観覆す綿密な検証昨年末の「この三冊」企画で、その一冊として本書に触れたが、書評対象にすべき書物の刊行時期が、ぎりぎりの…
書評 - 『医療とは何か 〔音・科学そして他者性〕』(藤原書店)村上 陽一郎
「いのちの声に耳傾けること」稿を起こそうとして、些(いささ)かのたじろぎを覚える。父君が大正十二年、北海道中部奈井江(ないえ)で始められた…
書評 - 『逆襲する宗教 パンデミックと原理主義』(講談社)村上 陽一郎
世俗化への反動、世界的規模で第二次世界大戦後、世界は、一部での熱い戦争や深刻なテロもあったにせよ、総じては平和と経済的繁栄が基調となったた…
書評 - 『証し 日本のキリスト者』(KADOKAWA)村上 陽一郎
宗教への無関心、打開の扉を開く徹底して現場に赴いて、人々の声を聴く。この著者の方法論が、これまで科学や医療などを対象にしてきたことから考え…
書評 - 『遺伝と平等:人生の成り行きは変えられる』(新潮社)村上 陽一郎
利用すべき利器か、広範に論じる英語に言葉遊びとしても傑作な<Nature or Nurture>という成句がある。ナーチュアというのは、ナース(看護師)と…
書評 - 『創造論者vs.無神論者 宗教と科学の百年戦争』(講談社)村上 陽一郎
スコープス裁判から解き明かす対立ややセンセーショナルな姿勢が目立つが、読んで中々面白い本である。出発点は、ダーウィンの進化論と、キリスト教…
書評 - 『失格でもいいじゃないの 太宰治の罪と愛』(講談社)村上 陽一郎
読後永年の嫌悪感、ほとんど消えた私事から始める不躾をお許し願いたい。評子は戦前から東京・三鷹に住んでいる。住まいはJR駅からほど近く、玉川上…
書評 - 『芸能の力 〔言霊の芸能史〕』(藤原書店)村上 陽一郎
古典が現代に息づく姿生き生きといつも思うのだが、日本語には、「わざ」(漢字では技、あるいは業を当てる、万葉では「和射」の表記も)、あるいは…
書評 - 『音楽家の世界: クラシックへの招待』(河出書房新社)村上 陽一郎
「吉田節」の原点、70年へて古びず実に七十年以上前に刊行された書物の再文庫化である。音楽の語り部秀和さん(敬愛する大先輩に非礼の表現かもしれ…
書評 - 『科学革命の構造 新版』(みすず書房)村上 陽一郎
「パラダイム」概念の名著、待望の新訳待望の新訳の登場です。漸く、という思いもあります。同じ書肆からの旧訳の出版が一九七一年ですから、半世紀…
書評 - 『〈反延命〉主義の時代:安楽死・透析中止・トリアージ』(現代書館)村上 陽一郎
個人の思いが政治利用され得る危険先進圏を中心に安楽死やPAD(医師の助けを借りた死、本書ではPAS)解禁の傾向が広がり、日本でも難病の五十代の女…
書評 - 『医療倫理超入門』(岩波書店)村上 陽一郎
論理によって議論を点検する本欄で扱う書物として、出来る限り邦人の著者の仕事を紹介しようと、翻訳ものは避けてきたつもりだが、本書の安楽死・自…
書評 - 『東大という思想: 群像としての近代知』(東京大学出版会)村上 陽一郎
教養学部が大学を方向付けた良くも悪くも、東大は、日本における最初の近代的大学として発足以後、日本社会のなかに、ある種の場所を占め続けてきた…
書評 - 『シンボルの哲学――理性、祭礼、芸術のシンボル試論』(岩波書店)村上 陽一郎
言語からはみ出すジャンルの論理性旧訳はあるが、今回新訳で文庫として出版されることになった。原著の初版は一九四二年の刊行、その後何回か版を重…
書評 - 『金閣を焼かなければならぬ』(河出書房新社)村上 陽一郎
動機は原体験の後から来る一読、巨(おお)きな一幅の絵を見た思い。システィナ礼拝堂の天井画、アダムの指先のリアルさにまがう、細部のリアルさは…
書評 - 『五輪と戦後: 上演としての東京オリンピック』(河出書房新社)村上 陽一郎
スポーツに食い込む政治最初に極めて個別的な場面を話題にするが、第三章で、人間が書いた遺書のなかでも、かつて飛び抜けて強い印象を私の心に刻み…
書評 - 『心の進化を語ろう: 比較認知科学からの人間探究』(岩波書店)村上 陽一郎
前例ない多様な対象への成果凝縮副題が「比較認知科学からの人間探究」とある。それで、本書のテーマは語り尽くされているが、そもそも「比較認知科…
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