1946年生まれ。埼玉県浦和市(現・さいたま市)出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、出版社勤務などを経て文筆業に。1985年より「サンデー毎日」誌上で連載コラムの執筆を開始、現在まで続く。著書に『小津ごのみ』『アメーバのように。私の本棚』『今夜も落語で眠りたい』『この世は落語』『歌舞伎のぐるりノート』『晴…もっと読む
- 『ある明治人の記録 改版 - 会津人柴五郎の遺書』(中央公論新社)中野 翠
この連載では、できるだけ小説作品に限定して書くつもりでいたのだが……このニカ月あまりは奇怪な宗教集団のことで頭がいっぱいになってしまって、な…
書評 - 『侏儒の言葉・文芸的な、余りに文芸的な』(岩波書店)中野 翠
芥川龍之介『侏儒の言葉』問題は、顔だ。日本の文学史上、芥川龍之介ほどみごとに顔文一致した作家というのも珍しいんじゃないだろうか。顔文一致、…
書評 - 『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』(筑摩書房)中野 翠
◆たしかな好悪の精神森茉莉さんの「ドッキリチャンネル」のダイジェスト版を編集するという、まったくもって楽しく、また空おそろしい仕事をさせて…
解説 - 『マドゥモァゼル・ルウルウ』(河出書房新社)中野 翠
私が長年宝物のように思ってきた『マドゥモァゼル・ルウルウ』が、ついに新しい装いで出版されることになった。十九世紀中頃にフランスで生まれたジ…
解説 - 『私の恋愛教室』(筑摩書房)中野 翠
「恋愛はするものであって語るものではありません」決して読みやすい本ではない。スラスラスイスイ読み流せる本ではない。私なぞこうして図々しく「…
解説 - 『私の「漱石」と「龍之介」』(筑摩書房)中野 翠
読みたい新刊が次から次へと出てくるので、なかなかうまくいかないのだが、漱石は自分の今後の読書人生の中心に据えて読んでいきたいと思っている。…
書評 - 『梵雲庵雑話』(岩波書店)中野 翠
淡島寒月『梵雲菴雑話』富の偏在も悪くない。その名も宝受郎(とみお)、淡島寒月という愉快に芸術的な人物を生み出してしまうのだから。私が寒月の…
書評 - 『武士の娘』(筑摩書房)中野 翠
評論家の櫻井よしこさんが絶賛されたおかげか、書店では目立つように平積みになっていた。何しろタイトルが『武士の娘』(ちくま文庫)だし、著者は…
書評 - 『大菩薩峠〈1〉』(筑摩書房)中野 翠
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい――と最初に謝ってしまう。ある雑誌の仕事がきっかけになって『大菩薩峠』を読み始めたのだが、これが予想…
書評 - 『御馳走帖』(中央公論社)中野 翠
一九九六年も終わろうとしている。私が今年読んだ本の中で質量ともに一番圧倒されたのは、『古川ロッパ昭和日記』(全四巻、晶文社)だった。古川ロ…
書評 - 『三浦老人昔話 - 岡本綺堂読物集一』(中央公論新社)中野 翠
恥ずかしげもなく書いてしまうが、私は日本人の国民的教養となっている幕末の志士物語にかんしては、ほとんど無知だ。司馬遼太郎小説をまったく読ん…
書評 - 『ウスバカ談義―ユーモア・エッセイ』(旺文社)中野 翠
映画マニアの友人にすすめられて、『簪(かんざし)』というビデオを見た。戦争直前の昭和十六年、清水宏監督作品である。いやー、よかった。面白か…
書評 - 『新版-犬が星見た-ロシア旅行』(中央公論新社)中野 翠
動物的ばあさんになる私の読書歴を振り返って点検してみると、女性ライターのものはほとんど読んでいないことに気づく。九割がた男性ライターの書い…
書評 - 『言わなければよかったのに日記』(中央公論新社)中野 翠
住専をめぐる日本の経済エリートたちの無能と無責任ぶりに対しては私も大いに怒っているが、しかし、批判派の、「庶民」という言葉を連発して恥じな…
書評 - 『警視庁草紙〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈1〉』(筑摩書房)中野 翠
私はつくづく男が好きなのだと思う。風太郎小説をなぜ読むのかといったら、それは何よりもまず〈凄い男〉がおおぜい出てくるからだと思うもの。男の…
内容紹介 - 『黒髪―他二篇』(岩波書店)中野 翠
じかに自分を語るというのが苦手である。直接的に自分のことを文章に書くのは何だかすごく恥ずかしい(とくに①自分の恋愛ネタ②自分の病気ネタ③自分の…
書評 - 『青草』(筑摩書房)中野 翠
十一谷 義三郎『青草』(『現代日本文学全集〈第79〉十一谷義三郎,田畑修一郎,北条民雄,中島敦集』収録 )十一谷義三郎、じゅういちやぎさぶろうと…
書評 - 『久生十蘭傑作選II 黄金遁走曲』(社会思想社)中野 翠
『久生十蘭傑作選』大学時代に年下のちょっと生意気な男の子が「凄い本ですよ」と言って、夢野久作の『ドグラ・マグラ』を貸してくれた。三一書房か…
書評 - 『周作人随筆』(冨山房)中野 翠
小学校でも英語教育をすべきではないかという声があり、近頃、論議をよんでいるらしい。実利的に見ればそれも結構と思えるが、教える先生の英語力が…
書評 - 『人間万事嘘ばっかり』(筑摩書房)中野 翠
「戦中派の考える『侵略発言』」を読む作家・山田風太郎が昨年(’94年)の『文藝春秋』十月号で「戦中派の考える『侵略発言』」と題して七ページほ…
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