林 望NOZOMU HAYASHI
公式サイト: https://www.rymbow.com/
1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒業・同大学院博士課程単位修了満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京芸術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社)で91年日本エッセイストクラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P・コーニツキと共著、ケンブリッ…もっと読む
いよいよEVの時代来る人後に落ちない自動車運転好きの私が吃驚仰天しているのは、今年になってからの、電気自動車(EV)へのシフトの顕在化である。…
懐かしくも惨憺たる・・・俳人今井聖さんの、これは自伝小説であるが、ほとんど現実そのままなのであろうと想像される。私自身は、今井さんと同世代…
今からでも遅くない『賢い芸人が焼き肉屋を始める理由』を読んだ。これがとても良い本であった。世界的な経済アナリスト岡本和久さんの新著だが、「…
つい行ってみたくなる旅の愉しみのなかに、地名の探索ということがある。たとえばイギリス旅行の友『The meaning of English place names』(Edward…
灯火親しむの候今年は順調に秋がやってきた、という感じがする。もともと、旧暦の七夕が過ぎ、お盆が過ぎ、御先祖の御霊も常世(とこよ)のほうへお帰…
天下の怪名著鹿島茂という人には、いつも驚かされる。本書また、一読殆ど気絶しそうに面白いのに驚いた。読み始めたら最後、いわゆる巻を置く能わず…
うーむ、これはもったいない小宮正安さんは篤学の士である。そのいっぽうで、ヨーロッパの音楽に通暁した教養人でもある。さて、私どもは、モーツァ…
亡び去りしものへの挽歌北杜夫の『どくとるマンボウ青春記』は我が愛読の書であるが、その興味津々たる所以は、著者が松本高校の学生になって、様々…
飄々たる名文の禅味薄田泣菫という詩人は、その実、詩人としてよりも、随筆家として巨大な足跡を残した人であった。私の愛読書のなかの愛読書『茶話…
冷静にそして忠実に「未曾有の」という形容が、その本義においてもっともふさわしいのが、こたびの東日本大震災であったろう。就中、あの福島第一原…
手紙は良いなあ!このごろはなんでもメールで、なにやら味気ない世の中になった。 じつは、私は人後に落ちない手紙好きで、かつてイギリスに留学中…
新たな旅への誘い日々書斎で文献と向き合ってばかりいると、無性に旅に出たくなる。日常をうんと離れて、できたら独りの旅を。いや、旅というよりは…
いま、白秋を世の中には妙なことを自慢する人がいるもので、俺は月に五十冊以上本を読むなどと速読を誇ったりするするのをよく見聞きするが、そうい…
ああ、これだ、これだ!はるかな昔、まだ紅顔の少年時代に愛読してやまなかったもの、それが杉浦茂の漫画であった。ザラザラの紙に印刷された「おも…
これほど寂しい食の本はない妻が癌にかかって余命が告げられてしまった、というときに「食のことを書くことで料理好きの家内のことを書きたいと思っ…
可笑し哀しい三浦しをんの長編小説『舟を編む』を読んだ。大国語辞典『大渡海』の編集主任に任ぜられた若き変人、というか言葉オタクともいうべき馬…
医師のホンネに耳を傾けるPPK願望という言葉をご存じだろうか。ピンピンコロリ願望、つまり昔風にいえば「ぽっくり願望」と同じことの謂いである。…
舌なめずりの読書 味というものは、しょせん食ってみなくては分からない。たとえ、どんなに美麗なグラビア写真であろうとも、おおかたの想像はできる…
なるほどそうだったか!じっさい、これは私などもしばしば経験することなのだが、私ども男が何気なく言った言葉に、女が異常に反応して(と男には見…
人間の心の闇を垣間見る最近、殺すのは「誰でもよかった」などという、わけの分からない殺戮事件が頻発して世間を震撼せしめている。いっぽうで、兄…