1943(昭和18)年、東京生れ。中央大学法学部卒。1966年博報堂に入社。1980年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1987年『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1997(平成9)年6月に博報堂を退職、作家業に専念する。他に『百舌シリーズ』『イベリア・…もっと読む
- 『司法記者』(講談社)逢坂 剛
地検特捜部の知られざる内実元検事の著者は、昨年来の地検特捜部の不祥事に触発されて、本書を書く決心をしたと推察できる。というのは、特捜部の捜…
書評 - 『神保町 タンゴ喫茶劇場』(新宿書房)逢坂 剛
お客の生態 克明な観察記録古書とタンゴのファンなら誰でも知っている東京・神田神保町のある喫茶店で働いていた女性の「お客観察記録」とでもいう…
書評 - 『星月夜』(文藝春秋)逢坂 剛
人間の心の奥にひそむ闇を照射本作品は、著者初のミステリーとして、小説雑誌〈オール読物〉に昨2011年の1月号から9月号まで連載された(ALL REVIEW…
書評 - 『検事の本懐』(宝島社)逢坂 剛
検察官の本来あるべき姿を活写昨今、相次ぐ不祥事の発覚から、検察の世界を舞台にした小説、ルポが増えてきた。従来、絶対的正義の実現を標榜し、あ…
書評 - 『マリー・アントワネット 運命の24時間 知られざるフランス革命ヴァレンヌ逃亡』(朝日新聞出版)逢坂 剛
ヴァレンヌ逃亡、劇的に再現著者の専門はドイツ文学だが、近年は西洋文化史、政治史への傾倒が著しく、絵画を通じて〈絵解き〉をする仕事に、精彩を…
書評 - 『脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議』(角川書店)逢坂 剛
ミステリー執筆の参考にも著者こそ異なるが、本書は評者がこの欄で1年前に紹介した、『錯覚の科学』と対をなすべき、啓蒙書である(ALL REVIEWS事務…
書評 - 『山猫の夏』(小学館)逢坂 剛
船戸与一が数年前『非合法員』で、どちらかといえば地味なデビューを果たしたとき、日本に新しいタイプの小説が生まれたと直感した、目のある読者も…
書評 - 『精神を切る手術――脳に分け入る科学の歴史』(岩波書店)逢坂 剛
精神外科の役割、検証求める日本では現在、ロボトミーを含む精神外科手術は、行われていない。少なくとも、そういわれている。ロボトミーは、前頭葉…
書評 - 『何を見ても何かを思いだす―ヘミングウェイ未発表短編集』(新潮社)逢坂 剛
ヘミングウェイとスペイン内戦ヘミングウェイの未発表短編集、『何を見ても何かを思いだす』が刊行される(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は1…
書評 - 『情熱の階段 日本人闘牛士、たった一人の挑戦』(講談社)逢坂 剛
生と死のはざまの体験記本書は、途方もない大夢を抱き、しかもそれをみごとに実現した、ある日本人闘牛士の苦闘の物語である。著者は、闘牛士になる…
書評 - 『流される』(文藝春秋)逢坂 剛
祖父への屈折した意識を淡々と本編は『東京少年』『日本橋バビロン』に続く、自伝的長編の第三部に当たる。著者はここで、若いころ沖電気に在籍した…
書評 - 『猫背の虎 動乱始末』(集英社)逢坂 剛
軽妙洒脱 新鮮な筆の運び乱歩賞出身の著者は、近年歴史時代小説にも進出し、新境地を開いている。本書はその3作目。前2作がやや重たい歴史小説だっ…
書評 - 『フランコと大日本帝国』(晶文社)逢坂 剛
イメージの変遷鮮やかに第2次大戦のヨーロッパ戦線で、日本は銃こそ手に取らなかったものの、中立国においていわゆる武器なき戦い、すなわち外交戦…
書評 - 『別れの時まで』(小学館)逢坂 剛
中年男女の恋愛ものが急展開編集者の松永は、〈家族〉をテーマにした手記の入選者の一人、毛利伊都子と会って心を引かれる。伊都子は、松永より四つ…
書評 - 『アメリカ・ハードボイルド紀行 ――マイ・ロスト・ハイウェイ』(研究社)逢坂 剛
微細なハメット作品考察が圧巻著者は、高校生になった1950年代の前半から、戦後闇市時代に洗礼を受けたアメリカ文化の研究に、のめり込んでいく。手…
書評 - 『夫の彼女』(双葉社)逢坂 剛
体が入れ替わる主婦と派遣社員人物が入れ替わる〈if〉ものは、小説、映画とも珍しくないが、本書もその一つ。 人妻が、夫の浮気の相手と話をつけよ…
書評 - 『昭和天皇とワシントンを結んだ男―「パケナム日記」が語る日本占領』(新潮社)逢坂 剛
講和条約の裏で暗躍、赤裸々に太平洋戦争史、占領史の主要な史料はほぼ出尽くしたと思ったが、どっこいまだ残っていた。本書の骨格をなすコンプトン…
書評 - 『死闘 昭和三十七年 阪神タイガース』(河出書房新社)逢坂 剛
優勝へのドラマ 生きいきと本書は、決して阪神ファンだけのために、書かれたものではない。現に著者自身が、阪神ファンだったのは2年間だけ、と白状…
書評 - 『人間の尊厳と八〇〇メートル』(東京創元社)逢坂 剛
行間に浮き上がらせる人間心理作者は今年度、本書の表題作で日本推理作家協会賞の、短編部門の受賞を果たした(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時…
書評 - 『楽園のカンヴァス』(新潮社)逢坂 剛
手だれの美術ミステリーこの作品は、日本ではまだ数少ない、うんちくものの美術ミステリーである。ニューヨーク近代美術館のアシスタント・キュレー…
書評