1946年生まれ。東京大学文学部教授を経て、現在は東大名誉教授。放送大学名誉教授。『中世のことばと絵』でサントリー学芸賞を、『書物の中世史』で角川源義賞を、共編著『現代語訳吾妻鏡』(吉川弘文館)で毎日出版文化賞を受賞し、近年の著書に『文学で読む日本の歴史』(山川出版社)、『日本の歴史を旅する』(岩波新…もっと読む
- 『維新の構想と展開 日本の歴史20』(講談社)五味 文彦
官による変革に民はどう対応したか維新の時代を描く場合、その政治の激動を中心に描くのが普通である。西郷や大久保、木戸、岩倉、伊藤、板垣などの…
書評 - 『流言とデマの社会学』(文藝春秋)五味 文彦
うわさはいかに生まれ広がるか毎年、九月になると思い出すのが関東大震災のこと。そしてこのときに流言によって朝鮮人の虐殺が行われたこと。あの悲…
書評 - 『子どもの社会力』(岩波書店)五味 文彦
大人の実践の方法も提言するいじめ、学級崩壊、あるいは殺人など、子どもをめぐる環境には、何か、大きな変化が起きているらしい。こう感じている大…
書評 - 『夢語り・夢解きの中世』(吉川弘文館)五味 文彦
それは神仏からのメッセージ夢か現実かと、疑うような事件が起き、バーチャルな世界がそれを加速化している。どうもバブルの夢の崩壊を経てから後、…
書評 - 『シェバの女王: 伝説の変容と歴史との交錯』(山川出版社)五味 文彦
「魔女」から回心の原型、レゲエまで人は伝説を求めて旅をし、作られた伝説は人を揺り動かす。シェバ(シバ)の女王の伝説は実にこのことをよく物語…
書評 - 『南朝全史 大覚寺統から後南朝へ』(講談社)五味 文彦
明治国家に適合した王権至上主義後醍醐天皇が京都から逃れて開かれた南朝は、花の吉野を中心にして五十五年にわたって勢力を維持し、室町幕府の擁す…
書評 - 『「日本」とは何か』(講談社)五味 文彦
書物の博捜が裏付けた成立と意味何気なくわれわれは日本という国号を使っているが、そもそもこの「日本」がどのように生まれ、展開してきたのか、と…
書評 - 『白河法皇 中世をひらいた帝王』(角川学芸出版)五味 文彦
時代を切り開くか時代に殉じるか最近の政治家の発言を聞いていると、その根底にある思想の浅さが目立ってしかたがない。滑稽にさえ思えてくる。日頃…
書評 - 『金沢貞顕』(吉川弘文館)五味 文彦
時代を切り開くか時代に殉じるか白河が時代を開いた政治家といえば、永井の扱った金沢貞顕(さだあき)は時代に殉じた政治家であったといえよう。鎌…
書評 - 『ドナルド・キーン著作集第十二巻 明治天皇〔上〕』(新潮社)五味 文彦
人格と事績を生き生きと描いた伝記明治天皇は明治国家の成長とともにあり、明治国家と不即不離の関係にあった。このため明治天皇を描くことは明治国…
書評 - 『講座日本美術史 物から言葉へ』(東京大学出版会)五味 文彦
専門家の着眼点と研究方法を探る美術館に行って美術作品を見ていても、実は作品そのものについて知らないことが多い。ところが専門家が側にいて説明…
書評 - 『苧麻・絹・木綿の社会史』(吉川弘文館)五味 文彦
衣料の変化が切り開く新たな歴史学昨年、二十世紀の歴史学を総括し、『20世紀日本の歴史学』(吉川弘文館)を著して、これからの歴史学の方向性を模…
書評 - 『近代日本の転機 明治・大正編』(吉川弘文館)五味 文彦
黒船来航からサリン事件まで人生に転機があるように、国家の歴史にも転機がある。近代日本の歴史を探ってゆくと、様々な局面で転機が訪れていた。そ…
書評 - 『中国の歴史7 中国思想と宗教の奔流 宋朝』(講談社)五味 文彦
「文弱」の先入観覆した歴史家の内省中国の宋王朝は、秦・漢帝国や唐王朝と比較してあまり馴染みがないかもしれない。華麗な古代文明を開いた王朝と…
書評 - 『テロルと改革―アレクサンドル二世暗殺前後』(山川出版社)五味 文彦
暗殺に頓挫した西欧立憲制の波一八八一年三月、日本で参議の大隈重信が国会開設要求の運動に応じ、憲法を制定して国会開設するようにという意見書を…
書評 - 『自然を生きる技術―暮らしの民俗自然誌』(吉川弘文館)五味 文彦
変わりゆく地域を足で観察する民俗学の調査対象を日本列島の諸地域に探すのがしだいに難しくなってきたという状況のなか、国際的研究の広がりもあっ…
書評 - 『歴史のなかの天皇』(岩波書店)五味 文彦
原始から現代まで、特質と時代性を探る皇位継承をめぐって、さまざまな議論があるなかで、きちんと歴史に即して天皇のあり方を探る、ないしは天皇を…
書評 - 『女帝の世紀 皇位継承と政争』(KADOKAWA/角川学芸出版)五味 文彦
政策課題から古代史の謎に迫る皇位継承の問題が種々議論されるなかで、女帝についての論議も多く見られるが、その際によく見受けられるのが、女帝は…
書評 - 『京極為兼』(吉川弘文館)五味 文彦
皇統分裂の激動を生きた奇才歌人時代はしばしば奇才を生む。中世の歌人藤原定家の曽孫である京極為兼はまさにその一人といえるであろう。 鎌倉末期…
書評 - 『日本史』(山川出版社)五味 文彦
対外関係に着目、充実した通史意外なことに、きちんとした日本史の概説書は少ない。学習参考書や新書などで書かれたものは数多くあっても、丁寧に原…
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