
学習院大学文学部教授。1981年学習院大学フランス文学科卒業。フランス政府給費留学生として、パリ大学に学ぶ。1987年パリ大学文学博士号取得。1988年東京大学大学院フランス文学専攻博士課程単位取得修了。1988年学習院大学フランス文学科専任講師着任。現在学習院大学フランス語圏文化学科教授。主な著書、『反‐近代文学…もっと読む
- 『徴候・記憶・外傷』(みすず書房)中条 省平
豊かなる生、予感や余韻に耳をすまして高名な精神医学者である著者は、心的外傷後ストレス障害や統合失調症の治療のなかで、患者が虫の知らせを聴く…
書評 - 『フレッド・アステア自伝 Steps in Time』(青土社)中条 省平
偉大なダンサーの品よい告白 アステアは人類の歴史が生んだ最も偉大なダンサーの一人だ。バレエ好きにとってニジンスキーがそうであるように、映画…
書評 - 『移民社会フランスの危機』(岩波書店)中条 省平
暴動が示した「平等」の国の袋小路05年秋、パリ郊外で暴動が頻発した。数千台の車に火が放たれた原因は、主にマグレブ系(北アフリカ出身のアラブ人…
書評 - 『金馬のいななき―噺家生活六十五年』(朝日新聞社)中条 省平
笑いの半生記に深い哀感 著者は現役最長の高座歴をもち、今年で喜寿を迎える(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2006年)。四代目・三遊亭金馬を…
書評 - 『わが名はヴィドック―犯罪者、警察密偵にして世界初の私立探偵の生涯とフランス革命時代』(東洋書林)中条 省平
神話的人物の波瀾万丈の記ヴィドック、世界初の探偵事務所を開いた男である。一八二八年に出した『回想録』が大評判を呼ぶが、これは探偵になる直前…
書評 - 『フランソワ・トリュフォー』(原書房)中条 省平
映画に愛をこめた男の孤独と苦悩トリュフォーは「愛とやさしさ」の映画作家だといわれる。じっさい、彼は、女と子供のほかに主題はないと断言した芸…
書評 - 『のりたまと煙突』(文藝春秋)中条 省平
はっとする日常へのまなざしの意外さ 日常生活で観察されるささやかな出来事を描かせて、星野博美の右に出る書き手はめったにいない。さらにそこか…
書評 - 『ヴェルレーヌ伝』(水声社)中条 省平
感動的な詩生んだ愚かな生涯 ヴェルレーヌといえば、「秋の日のヴィオロンのためいきの」や「巷(ちまた)に雨の降る如く」という名訳が反射的に思…
書評 - 『完全復刻版 別世界・幽霊を呼ぶ少女』(小学館クリエイティブ)中条 省平
哲学的深さも天才漫画家の出発点 いつ見ても少年のように若々しい楳図かずおだが、今年で70歳になった(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2006年…
書評 - 『レオナルド・ダ・ヴィンチ伝説の虚実―創られた物語と西洋思想の系譜』(中央公論新社)中条 省平
西欧の「隠れた思想史」浮上『ダ・ヴィンチ・コード』のせいで秘密結社のリーダーという影の顔が定着してしまったレオナルドだが、彼がどの程度オカ…
書評 - 『羽ばたき Ein Marchen』(KADOKAWA)中条 省平
少年と鳩、みなぎる職人技の筆致鳩山郁子というマンガ家をご存じでしょうか。30年以上のキャリアをもつ作家ですが、作品は10冊ほどなので、マンガ界…
書評 - 『愛情省』(作品社)中条 省平
現代日本の暗部を寓話で 昨年、自宅マンションから飛び降り自殺をとげた見沢知廉の短編集である(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。…
書評 - 『かしこくて勇気ある子ども』(リイド社)中条 省平
生まれくる子へ、ふくらむ夢と不安コロナ禍のもと、カミュの『ペスト』が世界中で読まれています。封鎖された町で疫病と戦う人々の姿が、生きる勇気…
書評 - 『ブラフマンの埋葬』(講談社)中条 省平
乾いた死の匂い漂うひと夏の物語昨年、『博士の愛した数式』が話題を呼んだ小川洋子の最新作(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2004年)。初…
書評 - 『マンガは欲望する』(筑摩書房)中条 省平
吹き出しや絵の手法を縦横に分析最近のマンガ研究は勢いがある。若い学問領域だけに、新しい成果を生む潜在力が大きいのだ。本書はマンガというメデ…
書評 - 『薔薇よ永遠に―薔薇族編集長35年の闘い』(九天社)中条 省平
ゲイの悩みと人生の幅広さ著者が「薔薇(ばら)族」を創刊した35年前、同性愛者は異常者扱いされた。その後、ゲイという存在が日本で市民権を得るに…
書評 - 『戦争は女の顔をしていない 1』(KADOKAWA)中条 省平
ソ連女性兵士の戦争、実相をすべてマンガはあらゆる文芸ジャンルをマンガ化してきました。「絵解き」という言葉があるように、マンガは絵を主体にし…
書評 - 『何がおかしい―笑いの評論とコント・対談集』(白夜書房)中条 省平
笑いをめぐるラディカルな思考を展開中島らもが転落死して二年(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。その後も著作は何冊も出たが、本…
書評 - 『闇の底』(講談社)中条 省平
犯罪前歴者が次々殺されて 昨年、江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳の第二作(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。受賞作『天使のナイフ』…
書評 - 『芸能鑑定帖』(牧野出版)中条 省平
厳しさと愛を江戸前文体で 当代きっての落語・演芸の見巧者、吉川潮による演芸コラム99連発である。随所で膝を打ち留飲を下げる、めっぽう楽しい時…
書評