
学習院大学文学部教授。1981年学習院大学フランス文学科卒業。フランス政府給費留学生として、パリ大学に学ぶ。1987年パリ大学文学博士号取得。1988年東京大学大学院フランス文学専攻博士課程単位取得修了。1988年学習院大学フランス文学科専任講師着任。現在学習院大学フランス語圏文化学科教授。主な著書、『反‐近代文学…もっと読む
- 『ルバイヤート集成』(国書刊行会)中条 省平
十一世紀ペルシアの天文学者にして哲人、オマル・カイヤーム。彼のルバイヤート(四行詩集)が世界的名声を獲得したのは十九世紀後半のことだ。英国…
書評 - 『生きていりゃこそ』(新潮社)中条 省平
官能的な感動呼ぶ天才役者の芸と追憶本書は、「大遺言書」として週刊誌に今も連載中の文章をまとめたものです。 大なり小なり遺言書というものは、…
書評 - 『何が映画を走らせるのか?』(草思社)中条 省平
快楽に満ちた百年史、絶妙の語り口で『ゴダールの映画史』に倣えば、本書は「山田宏一の映画史」と呼べるだろう。つまり、映画百年史ではあるが、直…
書評 - 『三つの教会と三人のプリミティフ派画家』(国書刊行会)中条 省平
『さかしま』で著名なユイスマンスの遺作となった美術論集。ノートル=ダムほか二つの教会と、グリューネヴァルトほかフランクフルトの謎の画家二人…
書評 - 『昼の学校 夜の学校+』(平凡社)中条 省平
写真の本質、率直な言葉で 森山大道が正面切って写真を語った本である。 写真家志望の若い学生を相手にした質疑応答の記録だから、言葉は分かりやす…
書評 - 『シネマ2*時間イメージ』(法政大学出版局)中条 省平
CINEMA 2 L’IMAGE-TEMPS 映画手法の転換、作り手の苦闘の物語第二次大戦後、イタリアでネオレアリズモという映画運動が起こる。ロッセリーニを先…
書評 - 『怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史』(講談社)中条 省平
ポストモダンを創始した「愚帝」?『居酒屋』や『ナナ』で有名なゾラの「ルーゴン=マッカール叢書」は十九世紀小説の一つの到達点だが、この大作に…
書評 - 『手塚治虫=ストーリーマンガの起源』(講談社)中条 省平
作品を踏査 驚異の演出法を分析作者は『人は見た目が9割』というベストセラーを生みだした著述家で、マンガの原作や戯曲の執筆も手がけている。本書…
書評 - 『東京大学「80年代地下文化論」講義 決定版』(河出書房新社)中条 省平
「消費」幻想 VS.「かっこいい」ピテカン1988年、日本全体の地価の総計は1164兆円で、この金を出せば、日本の25倍の広さをもつアメリカを二つ買え…
書評 - 『中井英夫戦中日記 彼方より 完全版』(河出書房新社)中条 省平
中井英夫の『虚無への供物』はいまや、「新本格」なる推理小説流派のバイブルだが、中井の小説の本質は、全能者の権力を手にした錯覚をもって嬉々(…
書評 - 『徴候・記憶・外傷』(みすず書房)中条 省平
豊かなる生、予感や余韻に耳をすまして高名な精神医学者である著者は、心的外傷後ストレス障害や統合失調症の治療のなかで、患者が虫の知らせを聴く…
書評 - 『フレッド・アステア自伝 Steps in Time』(青土社)中条 省平
偉大なダンサーの品よい告白 アステアは人類の歴史が生んだ最も偉大なダンサーの一人だ。バレエ好きにとってニジンスキーがそうであるように、映画…
書評 - 『移民社会フランスの危機』(岩波書店)中条 省平
暴動が示した「平等」の国の袋小路05年秋、パリ郊外で暴動が頻発した。数千台の車に火が放たれた原因は、主にマグレブ系(北アフリカ出身のアラブ人…
書評 - 『金馬のいななき―噺家生活六十五年』(朝日新聞社)中条 省平
笑いの半生記に深い哀感 著者は現役最長の高座歴をもち、今年で喜寿を迎える(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2006年)。四代目・三遊亭金馬を…
書評 - 『わが名はヴィドック―犯罪者、警察密偵にして世界初の私立探偵の生涯とフランス革命時代』(東洋書林)中条 省平
神話的人物の波瀾万丈の記ヴィドック、世界初の探偵事務所を開いた男である。一八二八年に出した『回想録』が大評判を呼ぶが、これは探偵になる直前…
書評 - 『フランソワ・トリュフォー』(原書房)中条 省平
映画に愛をこめた男の孤独と苦悩トリュフォーは「愛とやさしさ」の映画作家だといわれる。じっさい、彼は、女と子供のほかに主題はないと断言した芸…
書評 - 『のりたまと煙突』(文藝春秋)中条 省平
はっとする日常へのまなざしの意外さ 日常生活で観察されるささやかな出来事を描かせて、星野博美の右に出る書き手はめったにいない。さらにそこか…
書評 - 『ヴェルレーヌ伝』(水声社)中条 省平
感動的な詩生んだ愚かな生涯 ヴェルレーヌといえば、「秋の日のヴィオロンのためいきの」や「巷(ちまた)に雨の降る如く」という名訳が反射的に思…
書評 - 『完全復刻版 別世界・幽霊を呼ぶ少女』(小学館クリエイティブ)中条 省平
哲学的深さも天才漫画家の出発点 いつ見ても少年のように若々しい楳図かずおだが、今年で70歳になった(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆年は2006年…
書評 - 『レオナルド・ダ・ヴィンチ伝説の虚実―創られた物語と西洋思想の系譜』(中央公論新社)中条 省平
西欧の「隠れた思想史」浮上『ダ・ヴィンチ・コード』のせいで秘密結社のリーダーという影の顔が定着してしまったレオナルドだが、彼がどの程度オカ…
書評