• 2017/12/31

ALL REVIEWS 2017年12月のアクセスランキング

1位は中野翠さん!伝説的マンガの書評。
2位は町田康さん。書評自体が読み物として成立している離れ業。
3位、吉本隆明さんの村上春樹さん書評。レア!
他、まだまだ「読ませる書評」がたくさん!

さて、ALL REVIEWS、誕生からもうすぐ半年。だいぶ書評サイトとしても認知も出てきたようです。
続けていられるのも皆様のおかげです。Twitterなどで書評に関するコメントをいただけたりするといつも本当に嬉しい。
今年一年、ありがとうございました!来年もよろしくお願い致します◎

2017年12月書評ランキング1-10位

1位:中野翠【書評】業田良家『自虐の詩』(竹書房)
「ラストシーンでの「幸や不幸はもういい、どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある」という言葉が、胸に深々としみ渡る。」

2位:町田康【書評】保坂和志『試行錯誤に漂う』(みすず書房)
「それは自分のような小説家にとっては凡庸な表現で申し訳ない、目から鱗(うろこ)が落ちるような心持ちのする、衝撃的な考えであった。」

3位:吉本隆明【書評】村上春樹『ノルウェイの森』(講談社)
「現在の若い世代の性愛の風俗をかなりな程度、内在的に生き生きと写し取っており、それがこの作家を文学の若い世代の旗手にしている所以だとおもえる。」

4位:鹿島茂【書評】アラン・コルバン他『男らしさの歴史(全3巻)』(藤原書店)
「岩石のように分厚いが、その内容もまた超弩級(ちょうどきゅう)の破壊力を秘めた本。すべての人文・社会学系の学問の「既知」を破壊するかもしれない爆弾」

5位:澁澤龍彦【書評】宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮社)
「奇妙な形容詞が、たちどころに五つも十も思い出せるほど、私の記憶にそれらは深く刻みつけられている。」

6位:町田康【読書日記】週刊エコノミスト2016年11月15日号|「追い詰めた言葉が詩や歌になる時」『近現代詩歌』『詩、ってなに?』
「その走る姿、姿勢こそが歌やんけ。なにが駅伝じゃ、なにがマラソンじゃ。車両通行止め、迷惑なんじゃ。てなもので、その歌の姿が書物から聞こえてくる」

7位:町田康【書評】井上隆史『三島由紀夫『豊饒の海』VS野間宏『青年の環』―戦後文学と全体小説』(新典社)
「その過程でそれらの小説が発表当時どのように読まれ、或いはまた西洋ではどのような解釈がなされ、それを鏡に映して作者の読み方も示されて勉強、参考になりまくった。」

8位:平松洋子【書評】ガブリエーレ・ガリンベルティ『世界のおばあちゃん料理』(河出書房新社)
「なんと幸福な本だろう。料理写真集であり、女性のポートレート集であり、各国のレシピ集であり、人生の断片を描く物語集でもあり、旅の記録でもある。」

9位:斎藤環【書評】國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院)
「「本人の意志や、やる気ではどうにもできない病気」であることが理解されない。それは果たして、本当に「意志」の問題なのか。本書のスリリングな問いは、ここから始まる。」

10位:斎藤環【書評】『日本の精神医学この五〇年』(みすず書房)
「本書を松本氏の「白鳥の歌」に終わらせないためにも、氏の見識は正しく継承されなければならない。」

2017年12月書評ランキング11-20位

11位:鹿島茂【書評】ポール・ヴァレリー『ムッシュー・テスト』(岩波書店)
「肉襦袢を脱ぎ、贅肉を削ぎ落とした等身大のムッシュー・テストがようやくわれわれの前に現れたようである。」

12位:吉本隆明【書評】澁澤龍彦『神聖受胎』(河出書房新社)
「他のことは何をしなくても一個の手のこんだ見事な標本を教師の手にわたす。渋沢竜彦はそういう人物ではなかろうか。」

13位:豊崎由美【書評】恩田陸『ユージニア』(角川グループパブリッシング)
「読み始めたら途中でやめるのが困難。それほど面白いのだけれど、単に面白いだけじゃすまないのが、恩田ワールドの特長です。不穏な気配ムンムン。」

14位:澁澤龍彦【書評】三島由紀夫『午後の曳航』(新潮社)
「三島氏自身が好んで使う言葉を利用させてもらえば、この小説は、「夢想というものの重いイローニッシュな響き」に全篇みちみちた小説である。」

15位:楠木建【書評】三枝匡『ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ』(日本経済新聞出版社)
「この本はモノが違う。類例がない、といってもよい。全く教科書的な構成でも書き方でもないが、これこそ最高の経営の教科書だ。」

16位:豊崎由美【書評】ジャネット・ウィンターソン『オレンジだけが果物じゃない』(国書刊行会)
「一筋縄にはいかない作家って、やっぱイイ、すごくイイ。」

17位:豊崎由美【書評】笙野頼子『パラダイス・フラッツ』(新潮社)
「この手の陰惨なテーマを扱って、これほど爆笑できる小説が他にあったろうか。笙野頼子の才能のなんと無尽蔵なこと!」

18位:平野啓一郎【書評】トーマス・マン『魔の山』(新潮社)
「マンは「いかがわしさ」を誰よりも知悉していた。さもなくば、どうして彼の「市民」という言葉が、滑稽に響かないことがあるだろうか。」

19位:高橋源一郎【書評】イタロ・カルヴィーノ『なぜ古典を読むのか』(みすず書房)
「イタロ・カルヴィーノは、「本を読む能力も卓越した、素晴らしい作家」の代表である。そのカルヴィーノが古典の読み方を、『なぜ古典を読むのか』(須賀敦子訳、みすず書房)でわたしたちに教えてくれる。」

20位:鹿島茂【解説】山田風太郎『山田風太郎明治小説全集 (4) 幻燈辻馬車』(筑摩書房)
「幻燈辻馬車。なんという見事なタイトルだろうか。いかにも過去にありそうな、それでいて、決してあったはずのない摩詞不思議な「異次元の歴史」、山田風太郎ワールドが現出する。」

2017年12月書評ランキング21-30位

21位:速水健朗【書評】ホイチョイ・プロダクションズ『新東京いい店やれる店』(小学館)
「こんな具合に新旧“やれる店”から読み取ることができるのは、東京という街の18年の変化だ。実用ガイドとして読むのもいいが、むしろ都市論として読むとおもしろいかも。」

22位:町田康【書評】齋藤秀昭,泉鏡花,樋口一葉他『明治深刻悲惨小説集』(講談社)
「えげつなかった。えげつなく悲惨だった。文学というものが人間の、社会のなにをどう書くべきかということを真剣に考え、精神や言葉やとつかみ合い・殴り合いをした結果、こうしたものができてきたのだろう。」

23位:豊崎由美【書評】アルフレッド・ジャリ『超男性』(白水社)
「女嫌いで知られたジャリらしい奇想と悪戯精神に溢れた、今読んでも新鮮な驚きをもたらしてくれる、これは永久不滅の傑作なのだ。二一世紀に入っても、やっぱりジャリはカッコイイ!」

24位:高遠弘美【書評】西川正也『コクトー、1936年の日本を歩く』(中央公論新社)
「読者は本書を通じて、詩人の天才の秘密を見出すだろう。そればかりか、1936年の関西と東京という時空間から逆照射した現在の、さらにはこれからの日本の姿を垣間見るに違いない。」

25位:鴻巣友季子【書評】丸谷才一,池澤夏樹『愉快な本と立派な本 毎日新聞「今週の本棚」20年名作選(1992~1997)』(毎日新聞社)
「あてこすり書評や自説開陳や美文を気取る空回り。こうした下心から距?をおいた書評だけが、まっすぐに読み手の胸に届くに違いない。小さな矢のさばき方と収め方いかんで、書評の「愉快さ」と「?派さ」は決まるのである。」

26位:鹿島茂【前書き】鹿島茂『最強の女 ニーチェ、サン=テグジュぺリ、ダリ・・・天才たちを虜にした5人の女神』(祥伝社)
「ひとことで言えば、彼女たちは、自らの価値において自立しているばかりではなく、その価値にほれ込んで次々に言い寄ってきた男たちの価値においても卓越している二重の意味でのスーパー・ウーマン、ようするに「最強の女」なのである。」

27位:澁澤龍彦【書評】三島由紀夫『美の襲撃―評論集』(講談社)
「現代に生きる作家の倫理を主題とした、いわばこの著者の信仰告白である。」

28位:豊崎由美【書評】カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』(早川書房)
「前作のテーマが、10年の後、新作の中で再び美しい音色を響かせる。イシグロ作品の愛読者にとって、とりわけ嬉しい1作ともいえるのだ。」

29位:豊崎由美【書評】レベッカ・ブラウン『体の贈り物』(新潮社)
「ギブ&ギブ。レベッカ・ブラウンから手渡される贈り物は温かい。荒涼としかけている世界を救えるくらいに温かい。」

30位:豊崎由美【書評】枡野浩一『石川くん』(集英社)
「これが温故知新の戦うコラボレーションなんだと思う。こうやって過去の作品は今に蘇り、現代作家は新しいブンガクを発見していくんじゃないかなあ。」
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